なぜ「蒲原令奈」なのか?

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      吉田豪、町山智浩、菊地成孔、はあちゅう、真木よう子、キンコン西野...2017年、サブカル論争&炎上事件簿

      大手メディアでは取り上げられるような事象ではないが、昨年も、音楽、映画、アイドルなどをめぐってさまざまな論争が起き、SNS上での大炎上に広がるという光景が連日繰り返された。 こうしたトラブルは、どうでもいいような重箱の隅をつつきあうようなものに見えるかもしれないが、議論をつぶさに見ていくと、実は、表現圧力や差別など、現在の日本社会が抱える問題や文化状況をあぶり出すようなものもあったりもするのだ。

      リテラでは年始特別企画として、2017年を代表する7つのサブカル事件を振り返ってみたので、ぜひ読んでいただきたい。鬼の首を取ったかのように炎上を焚き付けられる状況が定着して久しい。 そんな状況に、怒りを込めた異議申し立てをしたのが映画評論家の町山智浩だ。

      結論を言うと、最後の最後で『スプリット』の物語は、01年日本公開『アンブレイカブル』と同じ世界線の話だったということが明らかになるのだが、『アンブレイカブル』は15年以上前の作品であり、『アンブレイカブル』を見ていない若い観客はなにが起きたのかさっぱりわからないまま劇場を後にすることになる。実際、町山はそういう人が出ないよう、若い観客への配慮として作品紹介をしたと語っている。

      『スプリット』と『アンブレイカブル』がひと続きの物語であるということは、シャマラン監督自身もツイッターで明かしていることであり、こんなことまで踏み込めないまま映画紹介や映画評論をしろと言われても、それは無理な話だ。

      こういった事態に町山は〈料理の食材や調理法、隠し味、つまりネタを解くように映画を分析するのが映画評論家の仕事なのでネタバレ警察ははっきり言って営業妨害だから戦うしかないんだよ〉とツイート。 町山の言う通り、このような状況が続けば、映画評論家や映画ライターは、出演する俳優のゴシップネタを伝えるだけの職業になってしまうだろう。それは、映画界にとっても、映画ファンにとっても不利益でしかない。そんな錚々たるメンツのなかで、一躍脚光を浴びたのが吉田豪である。 この番組のオーディションは少し変わって形式で行われる。審査員の合議制はとらず、番組側から指名された審査員1名の評価のみで審査が行われる。つまり、誰かが他の審査員と1人だけ違う評価をくだしたとしても、その結果が優先されるのである。 このシステムが吉田豪の大炎上を引き起こした。 10月22日放送回において吉田豪は、当時の暫定メンバーのなかでも人気メンバーだった長月翠を落とし、挑戦者の蒲原令奈に軍配を上げた。

      しかし、前述したルールがあるので、吉田豪の審査が優先される。 番組の最後で、マーティと倉田が吉田豪の審査への不満を述べるくだりが放送されたこともあり、番組終了直後より吉田豪のツイッターは大炎上。明かし、怒っている人は坂道ファンが多いと指摘した。し、同じ秋元康プロデュースでも、48ファンは波乱に慣れているからさほど怒っていないなどと分析。 ようするに、この炎上はアイドルに何を求めるか、アイドル観のちがいがぶつかり合った結果だったといえよう。 ちなみに、蒲原は途中でグループとしての活動を辞退。繰り上げ戦で勝利した長月は暫定メンバーに復帰し、そのまま確定メンバーまで勝ち残り続けた。 炎上騒動以降、番組内では吉田豪のジャッジや炎上をイジるネタがすっかり定着。『ラストアイドル』はシーズン2の放送が決定しており、2018年も一波乱起こることが期待されている。

      吉田豪は今年も『ラストアイドル』で議論を巻き起こすのであろうか。 ■ 事件3 自民党新潟県支部〈政治って意外とHIPHOP〉が炎上。2期生募集のポスターに書かれたこのキャッチコピーは多くの人々の怒りを買った。 そのなかでもとりわけ、自民党新潟県支部によって書かれた惹句に違和感を表明したのが、ラッパーのKダブシャインである。 彼はツイッターに〈持たざる者、声なき者に寄り添うことでヒップホップはここまで世界的に発展して来たのに、今の与党はそれに反して消費税、基地建設、原発推進、はぐらかし答弁、レイプもみ消しに強行採決と、弱者切り捨て政策ばかり推し進めておいて、そこに若者を集めることのどこがヒップホップなのか解説して欲しい〉と投稿。運動が象徴するように、トランプ政権化でますます苛烈になる差別問題であったりする。 つまり、ヒップホップは〈意外〉でもなんでもなく、政治的であり社会的なものなのである。 また、そもそも、現在の自由民主党にヒップホップという言葉を使う資格はない。その苦しみを外の世界の人々に伝えるための武器として機能してきたヒップホップとは180度真逆にある。先に挙げたKダブシャインのツイートはそこに怒りを向けている。

      端を発するフリースタイルブーム、ラップブームに軽く乗るつもりで〈政治って意外とHIPHOP〉なる惹句を使ったのだろうが、端的に言って不愉快極まりない騒動であった。ラブストーリーを描くミュージカル映画の本作は日本でも大ヒットを記録した。

      しかし、商業的な成功の一方で、評論家、特に音楽に関わる人たちからは、作品内におけるジャズの取り扱い方などをめぐって酷評の声が多く起きた。その急先鋒が、ジャズミュージシャンで映画評論家の菊地成孔である。 そして、このテキストが公開されるや否や、サブカル界隈に関心をもつ野次馬たちは色めきだつことになる。私、ライターではない...〉とつぶやいたことだった。を書く〉という分類であり、そういった意味で自分は作家であり、ライターではないとした。彼は〈ボクは作家=小説が本業の人だと解釈してるので、はあちゅうさんのこともライター枠の人だと思ってます〉とつぶやき、彼女の肩書きに関する考え方に疑問を呈した。を生業とする様々な人が、ツイッターを通じ続々と肩書きに対する思い入れを投稿する状況に。思ってしまうかもしれないが、日本の出版業界ではどんな肩書きを名乗るかによって仕事の場が如実に変わってしまったりもするので、確かにこれは重要な要素をはらんだ問題なのかもしれない。 小林幸子や叶姉妹など、近年コミケに参加し大きな話題を集める芸能人が増えてきた。そのなかにあって、理不尽な大炎上をさせられてしまったのが真木よう子だ。

      真木はコミケで出品するフォトマガジンの製作のため、クラウドファンディングでの資金調達をしようとしたのだが、これが問題視された。 コミケは自費出版物を販売するためのイベントであり、そのための制作費をクラウドファンディングで集める行為はイベント趣旨に反するというのが、彼女を批判する人たちの論拠であった。 これを受けて真木はコミケの参加を取りやめ、謝罪のコメントを出すことになるが、この炎上が引き起こされた原因が本当にクラウドファンディングだったのかは正直疑問が残る。 炎上に乗じてSNSに放たれたものには、「真木よう子にはアニメやコスプレへの愛がない。いった言及が少なくない数見られたが、真木は漫画について造詣が深いことでも知られており、少なくとも小林幸子や叶姉妹よりはよほどオタクカルチャーを愛してのものと思われる。 にもかかわらず、なぜ真木は大炎上して、小林幸子や叶姉妹は歓迎されたのか。サイドの人間であり、彼らにとって敵だと認識されたからではないかと思われる。謳い、絵本を無料公開し大炎上! 「絵本を無料で公開します。 こんな言葉とともに、キングコングの西野亮廣は2016年10月の発売以来20万部も売り上げていた『えんとつ町のプペル』を全ページ、昨年1月ネットで無料公開した。 すると、ネット上で西野に対する批判が巻き起こった。 しかしそうした批判の声は、どれもこれもいちゃもんのレベルにすぎなかった。一握りのベストセラーとそれ以外の売れないたくさんの本という、一強多弱の傾向がどんどん進んでいる。

      一握りの売れた者が得た利益を独占するのでなく、社会に還元する流れをつくりだすきっかけにもなり得るものだった。を感じると書いていたが、親の所得格差がそのまま教育格差に直結している現在の日本においてこの西野の指摘は非常に真っ当な感覚だろう。状態を、まさに証明した炎上騒動だったと言っていいだろう。 ................................................................................................ 2017年サブカル事件簿、いかがだっただろうか。さらに話をややこしくしたり、といったことが往々にして起こる。

      しかし、こういう面倒くさいところも含めて、サブカルというジャンルは状況がダイナミックに変わり、面白い。今年も様々な論争が起こるだろうが、当サイトでは逐一その動向を追いかけていくつもりなので、サブカル関係者はどうか冷たい目で見守っていただきたい。
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